フリーランスが知らないと損する「税金」のキホン。初心者にもわかりやすく解説!
フリーランスで働く人に、最初に立ちはだかる壁「税金」。
会社員であれば、基本的には経理や人事担当が対応してくれていた税金ですが、
フリーランスの場合、全て自分で処理しなければなりません。
そこで今回は、これからフリーランスを目指す人や、フリーランスになりたての方に向けて
税金のキホンを解説します。
税金の種類と年間スケジュール
収入や資産の状況によっても変わりますが、基本的な税金は以下の5種類です。
・所得税
・住民税
・個人事業税
・固定資産税
・消費税
また、税金ではありませんが「国に支払うべき」という視点で
合わせて「社会保険料」を押さえておきましょう。代表的なものは「国民保険料」「国民年金保険料」の2種類です。
有名な「確定申告」のような一大イベントはさておき、日々忙しく仕事をしていると、ついつい後回しにしてしまいがちな税金の処理。
税金や社会保険料が給料から天引きされる会社員とは異なり、フリーランスでは収入を得た後に支払タイミングが来ることも多いですので、
先に使い込んでしまって税金が払えない! といったことが無いよう、年間のスケジュールをおさえておいてくださいね。
最近は支払い遅延への対処も厳しくなっており、「延滞金」が発生してしまうこともあります。
無駄な出費を抑えるためにも、税金について正しい知識をつけていきましょう。
続いて、それぞれの税金について詳しく解説します。
所得税
毎月計算・支払いが発生するのではなく、年間所得に対して、支払うべき税額が決まります。
「所得」の定義
それでは、所得税の計算式を見る前に、「所得」とは何を指すのか解説します。会社員であれば、仕事の対価としての報酬は「給与」ですが、フリーランスの場合は「収入(=売上)」になります。
この「収入(=売上)」ですが、これがそのまま「所得」になるわけではありません。
「所得」を計算式で表すと以下のようになります。
所得 = 収入 - 経費
更に、所得税の対象となる「課税対象所得」を算出する場合は、所得から更に「所得控除」分をマイナスすることになります。
課税対象所得 = 総所得 - 所得控除
所得税の税率は?
所得税の税率は、課税所得の金額に応じて変わります。金額が多いほど税率の上がる「累進課税制度」となっており、上で見てきた「課税対象所得」に「税率」をかけると所得税が計算できます。現在、所得税の税率は以下のようになっています。
・所得税の税率
課税される所得金額/税率/控除額
195万円以下/5%/0円
195万円を超え330万円以下/10%/97,500円
330万円を超え695万円以下/20%/427,500円
695万円を超え900万円以下/23%/636,000円
900万円を超え1,800万円以下/33%/1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下/40%/2,796,000円
4,000万円超/45%/4,796,000円
参考:国税庁HP「No.2260 所得税の税率」
所得税の計算方法
所得税は、1月1日から12月31日までの年間所得をベースに、納税額が決まります。所得税の計算式は以下のようになります。
所得税 = 課税対象所得 × 税率
確定申告を行う必要がある
ここまでみてきたように、所得税は年間の所得に応じて計算する必要があります。そのため、住民税や消費税のように、行政のルールに従って徴収されるのではなく、
年に一度、自分の所得状況をまとめて報告する「確定申告」の中で、自分が支払うべき所得税額を算出の上、支払うという流れになります。
会社員の場合、給与に対する確定申告は経理部などが担当するため、一般社員が行うことは基本的にありませんが、フリーランスの場合、自分で確定申告をしなければなりません。
確定申告は、毎年2月16日~3月15日の期間内に行う必要があり、所得税の納付期限も同様です
(3月15日が土日に当たる場合は、次の月曜日が期限になります)。
難しいとされる確定申告ですが、税務署の相談窓口でアドバイスをもらう他、定期的に初心者向けの説明会などを開催している自治体も多いので、上手く活用していきましょう。
確定申告の時期が近付くにつれて混雑しますので、不安があればなるべく早めに行動しておく事がポイントです。
最近では、フリーランス向けの便利なソフトやクラウドサービスも充実しているので、自分に合った方法を見つけてみてください。
どうしても自力で解決できない場合は、税理士へ相談するのがオススメです。ただし、税理士への新規受付も、2月~3月は非常に混み合いますのでご注意を!
14種類の所得控除
1.雑損控除災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等に、一定の金額が所得控除対象になります。
2.医療費控除
その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。
3.社会保険料控除
納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。
控除できる金額は、その年に実際に支払った金額又は給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です。
4.小規模企業共済等掛金控除
納税者が小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等を支払った場合には、その支払った金額について所得控除が受けられます。
5.生命保険料控除
納税者が生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。
6.地震保険料控除
納税者が特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料又は掛金を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。
7.寄附金控除
納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。
8.障害者控除
納税者自身、同一生計配偶者又は扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。
9.寡夫控除
納税者自身が寡夫であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。
10.勤労学生控除
納税者自身が勤労学生であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。
11.配偶者控除
納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。
12.配偶者特別控除の概要
配偶者に38万円(令和2年分以降は48万円)を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合があります。
なお、配偶者特別控除は夫婦の間で互いに受けることはできません。
13.扶養控除
納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。
14.基礎控除
基礎控除は、ほかの所得控除のように一定の要件に該当する場合に控除するというものではなく、一律に適用されます。
基礎控除の金額は38万円です。
引用:国税庁『No.1100 所得控除のあらまし』
納付方法
最後に、所得税の納付方法です。所得税は、他の税金や社会保険料のように納付書が送られてくることはありません。
その為、確定申告の際に計算した所得税額を、自分で納めることになります。
納付期限は確定申告と同様ですので、確定申告の書類提出とセットで対応するとよいでしょう。
納付方法は、以下の3種類があります。
1.振替納税
「振替納税」とは、指定した銀行口座から所得税を引き落として納税する方法です。
事前に口座振替の依頼書を、管轄の税務署に提出しておく必要があります。
引き落とし日の目安は4月20日で、土日の場合前の金曜日に繰り上がりますので注意しましょう。
残高不足で引き落としができないと未納扱いになり、延滞金の対象になってしまいます。
2.電子納税
所得税はインターネットからも納税ができるようになっており、以下の3パターンがあります。
・ダイレクト納付
e-Taxを利用して電子申告を行った後、希望の預貯金口座からの振替で、簡単に即時または指定の期日に所得税を納付できる方法です。
ダイレクト納付を希望する場合は、事前に税務署へ指定の口座情報などを届け出する必要があります。
また、e-Taxソフトは、WEB版、SP版ともにダイレクト納付での予納に対応しています。
・登録方式
「納付区分番号」を活用して、インターネットバンキングやATMなどから納付する方法です。
「納付区分番号」は、e-Taxソフトなどから、納付情報(納付情報登録依頼)を作成して、事前に登録することで取得できます。
・入力方式
上記2つの方法のような、事前の申請・登録をせずに、インターネットバンキングやATM等から直接納付する方法です。
こうした、電子納税手続きの詳細や最新情報については、国税局のホームページで確認できます。
3.現金での納税
インターネットバンキングなどを利用せず、現金で納付する場合は、税務署が受付けてくれます。
税務署にある所定の納付書を利用して納税しましょう。
税務署以外では、金融機関・コンビニでも納付が可能ですが、納付税額が30万を超えるとコンビニでは対応できません。
税務署に、専用の納付書を発行してもらい、その納付書で納税を行う流れになります。
住民税
住民税とは
お住いの都道府県、市区町村に対して支払う税金が「住民税」です。自治体が提供する、様々な行政サービスや福祉のサポートの為に徴収されています。
その為、自治体によって納税額が異なってきます。
この、自治体に住んでいることに対してかかる「均等割」の他に、
所得に対して支払う「所得割」の2つを合わせて、住民税の納付額が決まります。
この「所得割」に関しては、所得税と同様に所得をベースに納税額が算出されますが、納税時期が「翌年」であることに注意が必要です。
よく、急にブレイクした芸能人やスポーツ選手が、活動が落ち着いたときに「収入よりも税金が高い」と嘆くエピソードをする原因の一つがこの仕組みです。
会社員と異なり、収入の大幅アップダウンの可能性があるフリーランスも他人ごとではありませんので、仕組みをしっかりと理解して納税に備えましょう。
納税額や計算方法
・均等割について住民税の均等割は、約5000円程度と考えておけば良いでしょう。
その内訳としては、都道府県分が約1500円前後、市区町村分が約3500円程度になります。
自治体によって異なる部分ですので、実際は上記の金額とイコールにならないかもしれませんが、さほど大きくずれることはないでしょう。
・所得割について
均等割とは異なり、個人の所得の金額に応じて変動します。
課税対象になるのは、所得税同様、所得から所得控除の合計額を引いた金額になります。
税率は10%で、その内訳は、都道府県分が4%、市区町村分が6%となります。
納付方法
会社員の場合は「特別徴収」となり、会社が給与から天引きする形で納税が行われますが、フリーランスの場合は、自分で納税する必要があります。この、自ら住民税を納付する方法は「普通徴収」と呼ばれます。
所定の納付書を使用して、金融機関・コンビニ・その他対応する電子決済で納税することが可能です。
自治体によって異なります。
納付時期
住民税の納付書は、6月に郵送で届きます。1年分の納付書が、このタイミングでまとめて届きますので、紛失しないように気を付けましょう。
支払の方法としては、1年分まとめて支払う一括払いか、年4回の分割払いのいずれかです。
一括の場合は6月末まで、分割払いの場合は、6月末、8月末、10月末、翌1月末が、納付期限になります。
納付期限を過ぎると、他の税金同様延滞金がかかってきますので、くれぐれも納付忘れの無いようにしましょう。
フリーランス1年目が注意したいこと
会社員からフリーランスへ転身して、初めての年は、住民税の納税に少し注意が必要です!特別徴収から普通徴収へ切替が発生しますので、会社を何月に辞めたかで対応が変わります。
・会社を1~5月に退職した場合
退職した月から5月までの分は、在籍していた会社が給与から一括徴収します。
6月以降、普通徴収で自分で納税します。
・会社を6~12月に退職した場合
翌5月分までを、在籍していた会社に一括徴収してもらうか、普通徴収にするか選ぶことができます。
ふるさと納税が響くのは「住民税」!
昨今すっかり定着した「ふるさと納税」。高額返礼品で注意を受ける自治体が出るなど話題に事欠きませんよね。
「節税にもなる」ともよく耳にするかと思いますが、ふるさと納税が影響する税金の1つが、この「住民税」になります。
自分が住んでいる地域以外の自治体へ「ふるさと納税」をした金額が控除対象になるのです。
住民税の控除計算式は、基本的には以下のようになります。
住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税の寄附金額 - 2,000円)× 10%
納税のお礼に、様々な返礼品で楽しむことができるのは嬉しいですね。
ただ、返礼品のルール逸脱が社会問題化し、総務省より対象外とされた自治体も出てきており、その場合控除対象とみなされませんので注意しましょう。
個人事業税
但し、全ての個人事業主に課せられるものではなく、次の条件に全て当てはまる場合に納税義務が発生します。
・事務所、事業所を保有している
・所得金額が290万以上である
・法律で定められた業種(※)に該当する
※個人事業税の対象となる業種は以下の通りです。
・第一種事業(37業種)/税率5%
物品販売業、保険業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、電気供給業、土石採取業、電子通信事業、運送業、運送取扱業、船舶定係場業、倉庫業、駐車場業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業、飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、両替業、公衆浴場(むし風呂等)、演劇興行業、遊技場業、遊覧所業、商品取引業、不動産売買業、広告業、興信所業、案内業、冠婚葬祭業
・第二種事業(3業種)/税率4%
畜産業、水産業、薪炭製造業
・第三種事業1(28業種)/税率5%
医業、歯科医業、薬剤師業、獣医業、弁護士業、司法書士業、行政書士業、公証人業、弁理士業、税理士業、公認会計士業、計理士業、社会保険労務士業、コンサルタント業、設計監督者業、不動産鑑定業、デザイン業、諸芸師匠業、理容業、美容業、クリーニング業、公衆浴場業(銭湯)、歯科衛生士業、歯科技工士業、測量士業、土地家屋調査士業、海事代理士業、印刷製版業
・第三種事業2(2業種)/税率3%
あんま・マッサージ又は指圧・あり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業、装蹄師業
納税額や計算方法
個人事業税の計算式は、以下のようになります。個人事業税 = (所得合計 -290万円)×税率
冒頭に紹介した3つの条件の通り、個人事業税には290万円の控除額があります。
ですので、年間の所得が290万円いかの場合は、課税対象外となります。
納付方法と時期
お住いの地域を管轄している税務署から、年2回(8月と11月)通知書が届きます。所得税のような計算及び申告は不要で、確定申告の内容を元に算出された税額の納付書が発行されますので、そちらを使って納付しましょう。
個人事業税の納付は、基本的に口座振替・電子納税・現金、の3パターンになります。
エンジニアは、個人事業税の対象外?
個人事業税の対象となる職種を見ると、実は「エンジニア」は入っていません。その為、基本的にエンジニアは個人事業税の対象外となります。
しかし、その仕事内容によっては課税対象とみなされることがあります。
例えば、受注した案件の中で「コンサルティング」的な仕事や働き方をした場合は「第三種事業1」の「コンサルタント業」に該当するものとみなされ、5%との税率がかかります。
その他、「製造業」「請負業」などとみなされるケースが多いようです。
個人事業税の課税対象となるかどうかは、最終的に管轄の税務署の判断となりますので、疑問に思うような場合は問合せしてみてくださいね。
固定資産税
償却資産って?
建物や土地はわかりやすいと思いますが、「償却資産」と言われると、ピンとこない方も多いのではないでしょうか。償却資産とは、以下で定義される資産のことを言います。
・耐用年数1年以上かつ取得価額が10万円以上の資産
ちょっと堅苦しいですが、フリーランスのエンジニアにおなじみのもので見てみると、パソコン、周辺機器、仕事用デスクの他、仕事をするスペースにあるエアコンなども該当します。
固定資産税には「免税点」がある
この「固定資産税」、資産に対して課税されるという事もあり、なんとなくお金持ちや資産家が払うようなイメージをお持ちの方も多いようですね。当たらずしも遠からずで、固定資産税には「免税点」があり、
上記の「償却資産」について、未償却残高が150万円以上の場合のみ課税する、という内容になります。
つまり、合計が150万円未満であれば、固定資産税の課税対象外となるのです。
詳しい条件を知らずとも、こういったところから、高額な資産をたくさん保有している人にかかる税金・・・というイメージが広まったのかもしれませんね。
計算方法
基本的な固定資産税の計算式は、以下のようになります。固定資産税=課税標準額×標準税率(1.4%)
但し、資産によって計算方法が異なり、土地・家屋・償却資産の評価額などによって個別にみる必要があります。
自動車に固定資産税はかかる?
仕事で使用する資産で、真っ先に思いつく「自動車」ですが、自動車には「自動車税」がありますので、固定資産税はかかりません。エンジニアの業務内容であれば、自動車を必須で長時間利用する、という場面は多くないかもしれませんが、覚えておきましょう。
納付方法と時期
納付時期は年4回となり、4月・7月・12月・2月というタイミングになりますが、管轄の自治体によりますので、気になる場合は問合せしてみましょう。例えば福岡市の場合は、上記のスケジュールに合わせて、区役所または市役所から納付書が届きます。口座振替も利用できるようです。
【参照元】https://www.city.fukuoka.lg.jp/zaisei/zeisei/life/koteisisanzei/004.html
消費税
フリーランスの場合、消費税の課税対象になるかどうかは、以下の条件で判断されます。
・課税対象となる年の2年前に、売上高(消費税除く)が1000万円を超える場合、課税対象となる
・前年の特定期間(1月1日から6月30日)の売上高が1000万円を超える場合、課税対象となる
・開業後2年未満の場合は、課税対象外となる
納税額や計算方法
売上高が1000万円を超えた場合、申告する必要があります。所得税と同様に、確定申告で対応します。
課税対象から外れたら?
収益に波が出ることの多いフリーランスの働き方では、1000万を超える年、超えない年がでることもありますよね。それまで消費税を納めていたのに、売上高が1000万円を下回った場合は、管轄の税務署に「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」を提出することで免税対象に戻ることができます。
税金と合わせて押さえておきたい「社会保険料」について
ここまでにご紹介した税金と合わせて把握しておけば、支払忘れ防止になりますので、合わせて押さえておきましょう。
国民保険料
国民皆保険制度、というものをご存知でしょうか?実は、日本国民は、何かしら公的医療保険へ加入する必要があります。会社員の場合、勤め先企業が加盟している保険組合に加入し、さらに保険料も給与からの天引きとなるため、あまり意識したことが無いかもしれませんね。
フリーランスの場合、この、保険への加入手続きや保険料の支払いも自分で行う必要が出てきます。
基本的には「国民健康保険」に加入することになり、運営者はお住いの自治体になります。
国民健康保険は、会社で所属する「一般被用者保険」同様、本人以外に家族も加入できます。
保険証の発行には多少時間がかかりますので、会社を退職し、フリーランスとして仕事を開始する場合は早めに手続きを済ませておきましょう。
手続きに当たっては、退職手続きの際に、会社の人事部に問い合わせても良いでしょう。
・思っていたより高い!?フリーランスの保険料
会社員の保険料は、会社が半額を負担する仕組みになっていますが、フリーランスの場合は全額を自分で支払うことになります。
その為、会社員時代の負担額とは大きく異なり、約2倍以上で見積もっておいた方が良いでしょう。
金額は自治体によって異なります。
例えば福岡市の場合、年間の保険料を計算できるエクセルシートを配布していますので、気になる方は一度計算してみることをお勧めします。
参考:みんなの国保・医療・年金「年間保険料の計算シート」
・支払方法と時期
国保への加入手続きが終わると、自治体から納付書が送られてきます。
税金と同様、金融機関やコンビニでの支払い、口座引き落としなどの方法を選択できます。
自治体によっても異なりますが、1年間の保険料を10等分しての分割か、一括で支払うことになります。
・デザイン業務に携わるフリーランスの場合
エンジニア領域以外に、例えばWebデザインなどにもかかわっている場合「文芸美術国民健康保険組合」へ加入できる場合もあります。
フリーランスに人気の保険組合で、一定の保険料で加入することができます。
加入資格は以下の通りです。
日本国内に住所を有し、文芸、美術及び著作活動に従事し、かつ、 組合加盟の各団体の会員である者とその家族。
引用:文芸美術国民健康保険組合
国民年金
フリーランスの場合、国民年金も、国民健康保険同様に、自ら加入手続きと支払を行うことになります。20歳以上65歳未満の国民に対する義務ですので、支払いが滞らないように注意してください。
・支払方法と時期
国民年金は、毎月保険料が発生しますが、毎月払いの他に、前納制度があります。
半年、1年、2年前納まで対応していますので、資金に余裕があり、手間も省きたい場合は前納制度がオススメです。
2年前納の場合、約1万5千円て程度の割引になるようです。
支払方法は、現金・クレジットカード・口座振替・電子決済(Pay-easy)など多岐にわたりますので、ご自分で管理しやすい方法を選んでみてください。
・「社会保険控除」の対象になる
国民年金保険料は、支払った額が全て「社会保険控除」の対象になります。
その為、先にご紹介した「所得税」の減額につながります。
予想より多く収益が上がった年に、減税対策として、2年前納で一気に国民年金を支払ってしまう、といった工夫をするフリーランスの方も多いようですよ。
また、国民年金以外でも、「国民年金基金」「小規模企業共済」などの制度があり、全て全額所得控除対象に該当します。
老後の備えと、節税対策の両面に活用できますので、収益状況と合わせて活用してみてください。
・支払忘れに注意
国民年金保険料を支払い忘れた場合に、改めて納付できる期間は「2年間」と決まっています。
2年を経過すると納めることができなくなりますので注意してください。
65歳の年金支給時に、未納分が響いて年金額がかなり少なくなってしまった…という事が無いようにしたいですね。
まとめ
会社員時代には、全て会社が行っていてくれたものですが、フリーランスとして働いていく場合、全て自分で対応する必要があります。
勿論、税理士などのプロへ相談することはできますが、基本の仕組みを自分でも把握しておくことは重要です。
納税は国民としての義務ですので、遅延や滞納が発生しないように気を付けてくださいね!